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A.LANGE&SOHNE ランゲ&ゾーネ ランゲ1 タイムゾーン 136.032

2023/05/11

ランゲ&ゾーネ 王宮時計の伝統を半世紀後に復活させたドイツ時計業界の頂点

ランゲ&ゾーネ ランゲ1 タイムゾーン 136.032  
A.ランゲ&ゾーネ といえば世界五大高級時計のひとつであるが、世界五大時計ブランドの中では、唯一ドイツ発祥の時計メーカーでもある。

A.ランゲ&ゾーネ は製造した時計の「A.LANGE & SOHNE」のロゴ付近に必ず「GLASHUTTE」の町名(グラスヒュッテ 現ドイツ ザクセン州)が記載されており、これには深い歴史が存在する。

ドイツのザクセン王国、ドレスデンで生まれた A.ランゲ&ゾーネ の創業者である フェルディナント・アドルフ・ランゲ は、1837年からフランス、スイス、イギリスなどで約3年間時計製造の手法を学び1840年ドイツ ドレスデンに帰国した。

銀の採掘で栄えた グラスヒュッテ は資源の枯渇と本来は山深い土地柄から人口の減少とそれに伴う貧困のため、同地を統治していた“ザクセン王室”が復興のためのアイデアを募集し、アドルフ・ランゲ は時計製造業を中心とした町の活性化を提案し採用されることとなる。

1845年に、ザクセン王国から多額の融資を受け、15人の時計見習工とともにドレスデンからグラスヒュッテに移住したアドルフ・ランゲは時計工房を開設し、時計業界として初の“メートル法”を採用、歯数駆動機構、ホイール式旋盤の導入を実施し、精密時計開発の近代化を進めた。

アドルフ・ランゲの元で育った時計工達は、ゼンマイや歯車、ケースなどの専門製造工房として独立し、グラスヒュッテ はアドルフ・ランゲの工房を頂点とする精密時計産業地帯となり、それは現代にも引き継がれ、ランゲ&ゾーネ や グラスヒュッテ・オリジナル といったドイツの高級時計メーカー9社が本拠を構えていることからも大成功であったといえるだろう。

しかしながら、そこに行きつくまでに A.ランゲ&ゾーネ は大きな試練を乗り越えなければならないこととなる。

1868年に、長男である リヒャルト・ランゲ が経営に加わり、屋号を現在の「A.LANGE & SOHNE」とし、1871年には次男のエミール・ランゲも経営に参画したことで、1920年代前半頃までは最盛期を迎えたが、第一次世界大戦後の世界恐慌によるインフレにより生産量が激減、さらに第二次世界大戦による1945年5月8日のソビエト連邦の空襲により工房は焼失してしまう。

悲劇はさらに追い打ちをかけ、ドイツの敗戦により A.ランゲ&ゾーネ が拠点をおく グラスヒュッテ(ザクセン州)は社会主義の東ドイツ領土に編入され、1948年4月20日に設備や資産を政府に接収された上で「グラスヒュッテ国営時計会社」に統合され消滅することとなり、、四代目である ウォルター・ランゲ は1948年に西側のプフォルツハイムへと亡命することとなるが、1990年に東西ドイツが再統一を果たす、と ウォルター・ランゲ はギュンター・ブリュームラインの協力を得て A.ランゲ&ゾーネ ブランドを再興し、世界五大高級時計メーカーとして見事な復活を果たすのである。


A.LANGE&SOHNE ランゲ&ゾーネ ランゲ1 タイムゾーン 136.032

ランゲ&ゾーネ ランゲ1 タイムゾーン 136.032


ランゲ 1 は 1994年10月24日 にドイツ ドレスデン にて発表された復興コレクションモデルのひとつであり“4分の3プレート”“ビス留め式ゴールドシャトン”“手彫りエングレービングテンプ受け”などグラスヒュッテ で培われた知識と技術の集大成といえ、オフセンターに配置されたダイヤルは、視認性を最優先とした表示要素が二等辺三角形を形成するデザインとなっている。

説明は画像を見ていただきながら細部を確認するとわかりやすい。

ランゲ&ゾーネ ランゲ1 タイムゾーン 136.032

“4分の3プレート”はムーブメントの骨格ともいえる“地板”を頑強に作り“地板”の歯車や香箱を固定するネジ穴を適切な位置に配置すること、受けネジ穴の深さ、脱進機の配置を目視で確認できる構造とすることで、組み立てが容易となり結果的に時計の性能も上がることを目的とした技法である。

“ビス留め式ゴールドシャトン”は、ジュエリーを収める枠をゴールドの枠にすることにより、損傷したルビー交換が容易となり、“手彫りエングレービングテンプ受け”は職人による手彫りが施されたテンプ受けであり“コーンフラワーブルー”といわれるブルースティールネジ(加熱温度によってスチールの色が変色する加工方法)とのマッチングは高級感を演出するだけでなく腐食の防止効果も期待できる。

オフセンター配置のダイヤルは、時刻表示針の中心を頂点として、右片の頂点はデイト表示の中心枠、左片はセカンドアワー表示針の中心、それぞれの頂点を結ぶと正確な二等辺三角形を形成することとなり、それぞれの要素が針を含め重なり合うことがない。

ランゲ&ゾーネ ランゲ1 タイムゾーン 136.032

ちなみに、ランゲ 1 の特許技術である“アウトサイズデイト”の原型となったのは、ドイツ連邦共和国 ザクセン州の州都であるドレスデンにあるオペラハウス“ゼンパー歌劇場”にある有名な五分時計をモチーフとしている。

ランゲ1・タイムゾーン の特徴として、文字盤には2つのダイヤルがあり、メインダイヤルはホーム時間、サブの4時位置のダイヤルは第二時間帯を読み取ることが可能。

第二時間帯の設定は簡単で、ケース左下のボタンを押すことで、各都市名が刻まれたサークルが都市の西から東に回転し、サブダイヤルの短針が同調する仕組みとなる。

第二時間帯の読み取りの際に、針は10時を指しているが、その時間が夜の10時なのか、はたまた朝の10時かが気になる点であるが、これはメインダイヤル・サブダイヤルの中央に配置された、青い半円弧が24時間で1回転し、その間に時分針が2周することで、青い半円弧部分は午後6時~午前6時(夜間)、反対側の部分が午前6時~午後6時(昼間)となり、第二時間帯の昼夜区別が判別可能となる。

さらに、第二時間帯を指す、5時位置の三角形のインデックスには小さな窓があり、夏時間制を採用している都市を第二時間帯に設定すると、三角インデックスに赤いマーカーが表れ、北半球では春から秋、南半球では晩夏から春までの間は、そのゾーンタイムに1時間を加えることで時間読み取りの調整を可能としている。

仮に、、第二時間帯都市が1年を通じて標準時であるという場合には、窓は淡色のままで“タイムゾーン”の名称の通り、24都市の夏時間制までを見分ける工夫が施されてることは驚きである。

A.ランゲ&ゾーネは、休眠期間ゆえか世界三大時計ブランドには含まれないが、パテックフィリップに追随できるブランドして、A.ランゲ&ゾーネを挙げる業界人は多いのではないだろうか。

世界五大時計のなかで、唯一スイスを除く、ドイツに拠点を置く A.ランゲ&ゾーネ であるが、ランゲと“子供”(ゾーネはドイツ語で“息子”“子供”の意味)の名の通り、ドイツ グラスヒュッテの伝統技法を踏襲し、時計技師たちの工芸品といえる時計を生み出す技術を、機会があれば是非一度手に取って感じてもらいたいものである。

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